歯がしみる【1回目】むし歯を詰めたあとにしみるのはなぜ???
銀歯や白いつめものを入れたあとに歯がしみた、という経験はありませんか?
むし歯は治療済みなのに、歯がしみるのはどうしてなのでしょう?
むし歯治療が失敗だったのではないか、まだ、むし歯が治療されていないのではないかと不安になった経験がある方がいらっしゃるかも知れません。
今回は、【治療後に歯がしみる現象】についてお答えいたします。
象牙質まで進んだむし歯を治療するとき、幸い歯の神経をとらずに済んだ歯を治療するときに、治療後冷たいものがしみたり、強くものを噛むと痛い、といった症状が出ることがあります。
この場合の歯がしみるという症状は、
ふだんエナメル質という硬い表面に覆われている歯が、むし歯の進行によって穴があき、その下にある刺激に敏感な部分、象牙質がむき出しになることによって引き起こされます。
象牙質がむき出しになると、さまざまな刺激がそのまま歯の神経に伝わってしまいます。
象牙質は歯の神経本体と細かい神経組織でつながっていますが、むし歯の進行や治療によってその細かい神経組織も一緒に削っているのです。
削られた神経組織は、そのあともしばらくさまざまな刺激に非常に敏感になります。
そのために治療後も歯がしみたり痛んだりといった症状が出るのです。
それでも、歯は刺激を受け続けると、その刺激をシャットダウンするために二次象牙質という防御機構を作ります。
しみていたが、しばらくするとしみなくなった、というのは、その防御機構が働くためです。
治療後歯がしみたり、噛むと痛い期間は個人差が大きく1.2週間から長くて数ヶ月続くこともあります。
この場合は、神経へのさらなる刺激を避けるために、冷たいものや硬いものはさけるようにしましょう。
あまり痛みが気になる場合は市販の鎮痛剤の服用もおすすめいたします。
歯がしみるということは、神経が生きている、歯が生きていることの証です。
歯からのSOSのサインを聞き逃さないように、定期的な検診を。
末永く健康な歯での食事を楽しみましょう。