一般歯科(むし歯・歯周病)
一般歯科とは
一般歯科とは、一番身近では痛い歯(むし歯など)の除痛から始まり歯周病の予防と治療、および歯牙欠損部の補綴(ホテツ/おぎなうこと)、その他にも口腔外科的疾患の治療などを行います。
これは、歯科がもともとメインとして行っている内容ですが、小児歯科、矯正歯科、口腔外科など新しく専門標榜科がうまれたため、これらと区別する意味で用いられます。
むし歯
むし歯は、口の中にいる無数の細菌が、食べかすなどから酸をつくり、その酸が歯を溶かすことで起きる歯の病気です。
歯の表面のエナメル質を溶かす(C1の段階)にはある程度の時間が必要ですが、その下の象牙質に達すると(C2の段階)、いきなり浸食の速度を速め、あっという間に広がってしまうので、早期の治療が大切であることは言うまでもありません。
C2の初期の段階までなら、従来の治療法でもきちんと治せるのですが、それよりも進行してしまうと、従来法では完治は難しくなります。そうなると、一度治してからそれほど年月が経っていないのに、むし歯が再発することもあるんですね。
むし歯の進行
むし歯を放置すると歯の表面から側面、歯の奥へ進行し神経まで達します。最終的に歯の根の先に膿がたまり歯を抜くくことになります。
むし歯の進行度合い/C1~C4
Cはむし歯のことです。カリエス(caries)からきています。むし歯の程度に応じて、C0~C4に分類されます。
現在では、C1以前の虫歯予備軍の段階をC0(要観察歯)と呼び、この段階はきちんと管理ができれば治療の必要はありません。
また、以前では、多くが抜歯の対象になっていたC4の段階(歯根の先端まで細菌感染し、根の先端に膿のかたまりができる場合が多い)も、治療技術の進歩にともない、その多くが救えるようになりました。
むし歯は伝染する
虫歯は伝染する、という事実はご存じでしょうか。
虫歯自体が伝染するわけではなく、虫歯の原因菌が伝染するわけですが、これが伝染する可能性が高いのが幼少の頃。口移しで食べ物などを食べさせてあげるほほえましい光景は、無菌状態の子どもの口の中に親の虫歯菌を伝染させているという、子どもからすれば全く迷惑な状態であるわけです。
これから子どもを生もうと考えている方は、まず虫歯の治療と入念な歯磨きで、自分がまず虫歯にならないようにすることが大事であるようです。子どもも甘やかしてはいけませんが、自分も甘やかしてはいけないということですね。
『子供の虫歯「甘い親」が原因 「サンスター調査」口移しの食事で細菌感染』産経WEB
むし歯/歯周病の予防
- プラークを除去しましょう! ご自宅での丁寧な歯みがきを心がけ、歯科医院でプロのケア(PMTC/歯のクリーニング)を受けましょう!
- 歯を強くしましょう! フッ素を効果的に使い、酸に溶けにくい丈夫な歯にしていきましょう!
- 食生活に気をつけましょう!
- 3ヶ月に一度、定期健診を受けましょう!
歯のクリーニング・PMTC
歯周病や虫歯のリスクを確実に減らせます!
歯周病や虫歯の予防はもちろん歯を白くする効果もあります。
歯周病や虫歯を引き起こす元凶、プラーク。オーラル・バイオフィルムとも呼ばれ、粘着性があるので、雑なブラッシングでは歯がたたない、何ともやっかいな存在です。
バイオフィルムを取り除くには毎日の丁寧かつ適切なブラッシング。しかし、何事も完ぺきにするのはむずかしいもの。
歯ブラシが届きにくいところに、バイオフィルムの切れ端が残ってしまうことが多いんです。それをきれいに取り除けるのが「PMTC」プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング。
痛みは全くありません。
歯周病
歯周病(歯槽膿漏)は大きく分けて、歯肉炎と歯周炎に分けられます。
日本人の場合、歯肉炎は10~20代前半で、すでに60%の方がかかっていると言われ、50才代でおおよそ80%の人がかかっていると言われるほど、多くの方が悩んでいる歯の病気です。
だれもがかかっている病気だからといって軽視していると、最後には取り返しのつかないことになってしまう怖い病気です。
歯茎から出血したり、歯がグラグラしていれば、歯周病の疑いがあります。
国民のほとんどが罹患する可能性の高い、国民的文明疾患であり、生活習慣由来のものです。歯ブラシのみの予防法では、止まらなくなりつつあります。理由を考え、対策を立てるのが一番です。
歯肉に炎症を起こした歯周病原菌は、そのまま血管に入り、身体に重大な疾患を引き起こす場合があります。歯周病が引き起こす重大な疾患は、動脈硬化・心筋梗塞・狭心症・脳血栓・脳梗塞など...です。
歯周病の進行
歯周病が進行することにより顎の骨が痩せてしまい、しっかりと歯を支えることができなくなります。骨が少なくなるに伴い、歯ぐきも下がり歯周病が進行していきます。
歯周病の組織破壊
歯周病が進行することにより顎の骨と歯ぐきが少なくなり、歯をしっかりと支えることができなくなります。歯周病が進行すると支えを失った歯が抜けてしまいます。
歯周病(歯槽膿漏)治療の流れ
1. 精密検査
- 歯周ポケットの測定
- レントゲン診断
- 問診(局所的、全体的なご病気)
- かみ合わせのチェック
2. スケーリング・ブラッシング指導
精密検査の結果をもとにまずは歯の表面のプラークの除石を行います。
同時に歯みがき指導を十分に行います。
超音波振動を利用した機器を使用することにより、がんこな歯石を効率よく除去します。
3. ルートプレーニング
歯根の表面から歯垢や歯石が作るバクテリアの毒素をキュレットと言う治療器具などによって取り除くことで、感染の原因を除去することです。
精密検査の結果をもとに1回につき3~4歯ずつ歯肉の表面に麻酔をして歯肉の中に隠れている歯石を丁寧にかき取ります。この治療を炎症が強い部位に行います。
4. 再評価
ルートプレーニング終了後に炎症がどの程度改善されているか再び精密検査を行います。
5. 再評価後
炎症が落ち着いて、症状の改善が見られる部位はメインテナンスヘ。炎症がまだ残っていて、症状の改善が認められない部位は、歯周外科手術、歯周組織再生療法を行います。