歯みがき中に出血しても、歯みがきをしたほうがいい理由
王子の歯医者、もりや歯科医院のブログです。
あなたは歯科検診で、
「歯ぐきが腫れているので、歯をよくみがいて下さい」
と言われた経験はありませんか?
しかし「ちょっと歯みがきをしただけでも出血するのに、本当に大丈夫なの?」と心配になる方もいると思います。
そこで今回は、歯ぐきからの出血を引き起こす歯肉炎や歯周病の仕組みについて分かりやすく解説します。最後まで読んでいただくと、歯ぐきの腫れや出血があっても歯みがきが必要な理由にもご納得いただけます。
============目次============
歯ぐきから出血する原因とは?
歯ぐきからの出血には、主に3つの原因が考えられます。
1.虫歯が歯ぐきの中まで進行している
2.歯のかぶせ物がフィットしておらず、歯ぐきを圧迫している
3.歯肉炎や歯周病などの病気により、歯ぐきが炎症を起こしている
これらのうち、一番よくある原因は歯肉炎や歯周病です。
健康な状態の歯ぐきは、歯みがきで出血することはありません
健康な歯ぐきの人であれば、ふつうの力でみがいたくらいでは毎回出血することはありません。
歯みがきのたびに歯ぐきから血が出る場合、歯ぐきが炎症を起こして腫れている状態だと考えられます(これを歯肉炎と言います)。そのままにしておくと、歯周病の進行につながります。
歯ぐきが炎症を起こす、とはどういうこと?
歯ぐきが腫れているとき、炎症部分には血液が溜まっています。磨き残した歯垢(バイ菌)と戦うため、身体が歯ぐきに免疫細胞を送り込もうとして毛細血管を増殖させているのです。歯ぐきがぷくっと腫れて赤く見えるのはこのためです。身体が、バイ菌の敵襲に備えて準備をしているのです。
出血していても歯をみがいてOKな理由
出血があると、歯みがきをためらってしまうかもしれませんが、安心してください。
たとえ出血していても、歯をみがくことで歯ぐきの新陳代謝や血行が促進されます。すると歯ぐきが引き締まり、腫れや炎症を抑えることができます。炎症鎮静のためには、できるだけ歯垢を取り除くことが必要ですから、歯ぐきからの出血があっても歯みがきは積極的にすべきなのです。
(ちなみに血液自体に菌はいませんので、たくさん血を流せば良いわけではありません)
歯ブラシの選び方としては、毛先がやわらかく、ヘッドがコンパクトなタイプがよいですね。決して力を入れ過ぎず、優しく刺激してあげましょう。歯肉炎や歯周病に効果のある歯みがき方法は、歯科スタッフにお尋ねください。
まとめ
歯肉炎や歯周病で歯ぐきが腫れている時には、歯みがきを積極的に行いましょう。血が出ると、なおさら歯みがきが難しく感じるかもしれませんが、ブラシを使って汚れをきちんと落とすことが大切です。自分一人では落としきれない汚れもたくさんありますので、定期的に歯科でキレイにしてもらいましょう。