歯ぐきの痛み・腫れ・出血と歯周病
王子の歯医者、もりや歯科医院のブログです。
早いもので、お正月が明けて半月が経ちました。
みなさん、お口は健康ですか?
長期休み明けによくみられるのが「歯茎の腫れ」。
お子さんからご高齢の方まで年代問わずよく起こる症状です。
歯茎の腫れの原因は様々ですが、歯周病のサインでもあります。
今回は、なぜ歯周病になると歯茎が腫れてしまうのか、歯茎の腫れと歯周病の関係に注目してお話します。
歯周病菌は、菌そのものに毒があります
虫歯菌と歯周病菌、どちらも歯の大敵です。
これらの菌にどんな違いがあるか、意識したことはありますか?
虫歯はお口の中にいる無数の菌、主にミュータンス菌が原因です。
食べかすなどから酸をつくり、その酸が歯を溶かすことで起きる歯の病気です。
菌の働きは迷惑ですが、菌自体に毒性はありません。
歯周病は歯周病菌が原因で、菌そのものに毒性があります。
歯や歯茎だけではなく、心臓病、肺炎、早産、動脈硬化などの原因にもなることがわかっており、健康をおびやかす病気です。
歯周病の歯茎の腫れは、身体の免疫反応です
歯周病の初期段階を歯肉炎と言います。
歯茎周辺に歯周病菌が定着し、歯茎が腫れて赤くなってしまいます。
歯周病菌はそれ自体に毒がありますから、身体は臨戦状態。
血液や唾液中の免疫も、総力を挙げて歯周病菌と戦います。
この免疫の戦いの結果として、歯ぐき腫れ・炎症=歯肉炎として症状が現れるのです。
歯周病が進行すると…
歯周病が進むと、歯周病菌が歯と歯茎の間(歯周ポケット)の中に入り込み、その中で強い毒を出します。
歯周病菌や免疫細胞の死骸が「膿」となって出てくるの(歯槽膿漏)です。
治療にとても時間がかかり、外科的治療が必要になることもあります。
歯周病対策で大切なのは、早期対策と定期検診です
歯周病対策で大切なのは、症状が出る前から定期的に汚れや菌を取り除くこと。
軽度の歯周病(歯肉炎)でしたら、歯ブラシや歯間ブラシなどのケアで症状の改善が期待できます。
しかし症状が進んでしまうと、ご自分で歯周病菌を取り除くのは困難です。
歯科のクリーニングで、歯周ポケットの中をすっかりきれいにすることで症状の改善が期待できます。
まとめ
歯周病菌は虫歯菌とは異なり、菌そのものに毒性があります。
歯茎の腫れや出血は、歯周病菌と免疫の炎症反応です。
歯周病は症状が進んでしまうと治療に時間がかかりますし、全身の健康にも影響します。
歯ぐきに異常を感じたら、速めに歯科受診をしましょう。